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「いや~、いいお湯だったよ」
「ならよかった、ご飯出来てるよ」
タオルでまだ渇いてない髪を拭きながら料理が並べられているテーブルの所へと座った
そこにはエプロンをとってそれを膝の上で綺麗に折り畳んで待っていた。
「今日も美味そうだな」
「冷蔵庫の中の物だけだよ、だからいつもと一緒っ」
そうは言ってはいたが見た目もかなりの物であり、炒め物と煮物、それと軽いサラダと彩りよく作られていた。
「いや、どれも上手いよ、彩乃ならすぐにでも嫁になれるな」
ぱくつきながら、冗談混じりにそう言った和樹だったが、彩乃もその手に箸を取りながら軽く微笑んだ。
「そんな事言って~、私がいなくなったら誰がご飯を作るの?」
「オレにだって、少し位は作れるさ」
「じゃあ、週末はお父さんに頼もうかなっ」
彩乃のそう言われ、和樹はばつが悪そうに味噌汁を飲んで視線を外した。
「そう言えば、兄さん、遅いね」
「また部活だろう、アイツ頑張ってるから」
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