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「……じゃあ、いくぞ!」
「ああ、こい」
敬太はビンタのモーションにはいる。
そして、敬太のビンタが俺の頬にぶつかった。
「ぶふっ!痛いじゃねえか、この野郎!」
「そ、そんな理不尽なっ!ぐはっ!」
敬太の顎に一発アッパーをいれる。
すると、敬太は遠くへ飛んでいった。
ふっ、甘いな。
お前に対して理不尽なのは前からだ。
「はー、すっきりした。いやー、今日は良い天気だなー」
「今は曇りだぞ」
俺の矛盾した言葉に、鬼神がツッコミをいれるとともに、チャイムが鳴った。
これは昼ご飯のチャイムだ。
空は曇り空だが、いつも通り屋上で鬼神と食べることにした。
じじいの話によると、今日はくもり空が続くらしいが、雨は降らないらしい。
「……えーと、そのー、なんだ。マジでごめんな鬼神。お前があんなこと考えていたなんて」
「気にするな。私が不器用なのは自分でも自覚している」
鬼神は卵焼きを箸で摘み、口へと運ぶ。
案外、けろっとしているようだが、どうも悲しい表情を浮かべている。
まるで、自分の不器用さに嫌気がさしているようなそんな感じだ。
それとも違うことか、俺にはよくわからない。
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