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「なんじゃこりゃぁあ!!って、あんた何投げてるんだ!」
「何ってクナイ」
「何その平然の反応!なんでクナイなんか持ってんの!」
「メイドの嗜み」
メイドの嗜み。
執事の嗜み。
嗜みって、万能な言葉なんですね。
今度使ってみます。
「ってか、なんで俺に投げたんだよ!」
「……うるさいなぁ。男が愚痴愚痴うるせえんだよ。というか、彩乃様のことを鬼神って呼び捨てしたからだろ。鬼神様って呼べ!鬼神様って!」
え、俺ってそんことで死にかけたの?
早苗さん……なんて恐ろしい子!
いや、鬼神の方か?
「……言わないんなら今此処で、てめえをばらす」
何処から取り出したのかはわからないが、両手にクナイを持ち出した。
それも何本も。
やべえ!
一人で馬鹿なこと考えてる場合じゃなかった!
「お、鬼神様……?」
「よろしい。言えるじゃねえか」
そう言って、早苗さんはクナイを身体の何処かに隠し、俺のとこまで近付いて来て、手を俺の頭の上にポンッと乗せた。
相手はニコニコしているのだが、こちらはすごく怖い。
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