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しばらくして、じゃっと言って女の子は武から去っていく。
それをただ俺達は見つめてるだけだった。
武はフラフラ身体を揺らしながら、そこらにあったベンチに座る。
そして、頭を抱えた。
泣いているのだろうか?
俺達の角度からではわからなかった。
一瞬、武に話掛けようとしたが、そんな空気じゃなかった。
自分にももし、好きな人がいて、それをあんな感じで振られたら……誰とも話たくないよなと。
「皆……!!大変だ……!!」
考えていたらバンッという音をたてて、教室のドアが開かれた。
そして、中に入って来たのは鬼神だった。
見た感じ、すごい慌ててるようだ。
「どうしたんだ、そんなに慌てて」
「どうしたこうもない……!これを見てくれ……!」
俺の方に近付いて来て、俺に一通の手紙を渡してきた。
「……それを読んでくれ」
俺から目を逸らしながら言ってくる。
何かと思いながら、もう開けられた封の中に入った手紙を読み始めた。
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