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俺は少し低い声で言う。
最初、マジで武は落ち込んで修行の旅に行ったんだと思ったが、これは一体なんだ?嘘なのか?
しかも鬼神が作った話なのか?
「うっ……悠。そんな恐い顔しないでくれ。恐いぞ……」
「ああ、わりぃ……」
どうやら顔に出ていたようだ。
顔はなるべく隠していたと思ったが、やはり感情は顔にでるようだ。
しかも、さっき気になったことがある。
鬼神が恐いと言った時、どこか悲しく今にでも壊れてしまいそうな顔をしていた。
……気のせいだよな?
「お嬢様のかわりに、私がお話しましょう」
「わっ!!じじい!?」
いきなり俺の目の前に、鬼神の執事かつ、俺の家でタダ飯を食った野郎が現れた。
そいつの名前は通称、じじい。
まあ、名前が知らないからしじいなんだがな。
「いきなりなんだよ!ビビるだろうが!」
「小僧、この程度で驚いていたら良い大人になれんぞ」
いや、目の前に突如人間が現れたら誰でも驚くし、驚ろかなかったやつは大人になる前に、人として終わってるから。
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