第一章

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なぜか怒っている境にオロオロしていると、美守さんが叫んだ。 「ちょっと聞きたいんだけど、二人は知り合いなのか!?」 「ぇ、はい!知り合いっていうか、僕境の双子の兄です」 「「えぇぇー!!?」」 「うざい黙れ」 あれ、なんかおかしなこと言ったかな? 「………似てない」 「あ、僕と境は二卵性だから全然似てないんだよ」 「そーなんだー」 「つーか、凌。」 「なに?」 「なんでお前ここに?」 目が……目が帰れって言ってる……! 「だって、境が誤解しているみたいだから」 「…………」 「僕の病気は境のせいじゃない。」 「そんなことはわかっている!」 「じゃあ、」 なんで 「どうして、目を合わせてくれないの?」 境と唯一同じ琥珀色の瞳を。 「どうして急にいなくなったの?」 近くにあった温もりが。 「……っ、」 境は下唇を噛み、視線を床に移した。
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