第一章

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「凌、俺は………逃げたんだよ」 境はそう言うと顔を歪め、生徒会室の奥の 扉の中に吸い込まれるように入って行った。取り残された僕は、呆然とするしかなかった。 「……気にするな」 「美守さん……」 美守さんは僕の頭に手を置いた。 「その“美守さん”てやめろ。」 「へ?」 「俺のことは征四郎と呼べ。因みに二年だ。」 「あ、じゃあ先輩だ」 「まじ?じゃあ呼び捨てでいいぜ、凌」 「うん、よろしくね!・・・征四郎先輩!」 「あ、あの!」 声がして振り向けばそこには高杉君。 「あの、僕とも友達になってください!」 一生懸命な姿に思わずキュン、としちゃった。
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