プロローグ

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「お母さん、僕末来学園に行きたい」 そう頼んだときの、母さんの顔が忘れられない。 「ダメよ!」 母さんは当然のように反対した。 「凌はっ、……」 そこまで言っていい淀む。 「お母さん、僕、境に会いたいんだ」 母さんの肩が揺れた。 「境に、ありがとう、って言いたい」 余命宣告されてから僕は、一度も境に会えてない。 「それに、境勘違いしてるから」 その誤解をといてあげるのも家族の役目でしょ、と言葉を続ければ母さんは僕の目を見つめた。
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