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あの悲劇の物語から半年。
私は歪みの国の住人を見る事は無くなった。
ただ一匹。
猫を除いては‥‥。
アリス『チェシャ猫?』
チェシャ猫『なんだい、アリス』
チェシャ猫は私のベットの上で転がりながら私の方を見た。
生首が転がってる訳だから見た目的にはあまりよろしくない。
アリス『チェシャ猫以外のみんなは消えちゃったのかな?』
チェシャ猫『消えてないよ。ただ今のアリスには必要が無いから見えないだけさ』
女王は消えたほうがいいけどねとにんまり口はつけたした。
アリス『‥‥そっか』
私はおばあちゃんに引き取られ叔父さんと三人で暮らしている。
お母さんの事を考えるとまだつらいけれど、今の私はそれなりに幸せだと思う。
これから先、私が歪む事はないだろう。
アリス『チェシャ猫‥‥みんなに会えなくなって寂しくない?』
チェシャ猫『寂しくないよ。僕にはアリスがいるからね。』
アリス『‥‥そう』
その時、チェシャ猫が「僕だけのアリス」ってつぶやいたのは私の耳には聞こえなかった。
私はそっとベットに腰を下ろすとチェシャ猫を膝の上に置く。
顎を撫でてあげたらゴロゴロと気持ち良さそうな音を出してる。
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