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「ふぅ……」
自然とため息が漏れてしまった。
俺とエリスがこの街に滞在して五日目。
日中は今まで通り、買い物したり、食事に行ったりしている。
だが、俺が感じていたこの街への違和感は日毎に増していった。
そこかしこに魔力の残滓が散らばっているのだ。
自然界には多かれ少なかれ、魔力は存在する。
俺の言っている魔力はそういう、無機物としての魔力ではなく、指向性のある魔力。
何らかの魔術行使、行動による魔力の残り滓の事を指している。
そして、今の時刻は夜の一時。
エリスはとっくに夢の中である。
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