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「行ってみるか」
足の筋組織に魔力を通す。
魔力を体に通すという行為は、魔術師にとって、最も簡単に身体を強化する術なのだ。
ホテルの屋上から隣のビルに跳び移る。
純粋に落ちたら死ぬなぁ、等とぼやきつつ目的の地、魔力の残滓が濃い所までビル伝いに進んでゆく。
20分程ビル伝いに進んだころだろうか、魔力の残滓が一番濃い所に一番近いビルに着いた。
「こっから先は降りるっきゃないか……、そのまえに――」
目を見開き、魔力を流す。
視力を強化し様子を見ておこうというのだ。
「特別目立った物は無し……か」
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