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「しょうがない、降りてみるか……」
まだ時間はさほど経ってはいない。朝方までにホテルに戻れば大丈夫だろう。
屋上の端、フェンスを勢いよく乗り越え、屋上から飛び降りる。
凄まじい風が体に吹き付け、風の音ばかりが耳に響く中、口を開く。
「weight ligitness an
speed adjastments.」
質量調整と落下速度を制御する魔術を唱えた。
それにより、体が仄かに発光し、落下速度が弱る。
何も知らない人から見れば、空に浮いているのではないかと思ってしまうだろう。
短縮詠唱にもいろいろな種類がある。
待機状態から活動状態に移行させるもの、単純に詠唱そのものを短く短縮するもの等だ。
後者は比較的簡単だが、短縮の仕方を間違えると効果を発揮しない、効力が落ちる等のデメリットがある。
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