はじまり

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「た…田坂さん…堪忍してくんなはれや」 「あほか、負けた分は払わんかい、お前が悪いんやないか」 「でも、1ヶ月分の給料でっせ…」 「知るか!はよよこせ」 「ぅぅ…」 おっちゃんが駒を触ると、いつも命が吹き込まれたように輝いていた。 将棋を指す姿も美しかった。 帰りはいつも、リーマン達からふんだくったお金でごちそうしてくれた。 おっちゃんは真剣師であることは、この時まだわからなかった。
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