竜王会

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俺は目と素振りで合図をすると、二人とも答えてくれた。 後、六十歳くらいに見えるおじさんを中心に、少し知った顔が三人。 東京の将棋会館の連中だ。 山崎六段、糸川四段、片山四段。 山崎と会うのは久し振りだ。 関東と関西で別れているので、ほとんど対局もない。 プロになってから二回指した。一勝一敗。 奴は強い。 でもやはり、奴との戦いで鮮烈に記憶に残っているのは小学生名人戦の決勝だ。 あれはかなりの衝撃だった。 糸川四段と片山四段はまだ話したこともない。 俺より少し上の世代だ。 糸川さんは小太り。 片山さんは眼鏡。 適当でごめん。 失礼なんだけど、まぁ簡単に言うと感じ。 若が仕切って皆を紹介した。 順々に…。 俺等、関東勢、青龍会。 「はい、これで紹介は終わりよ。」 ん?六十くらいのおじさんは誰だ? 「あの、若、あのおじさんはどなたですか!?」
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