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俺は紹介に漏れたおじさんを指差した。
若は俺の腕をパシッとはたく。
「失礼ね、彼は私のパパよ。」
パパ…?
「若にそんな相手がいるなんて…。」
俺は目をひんむいた。
「は?あんたバカ?まぁ私ももうすこし若い頃はパパの二人や三人いたけどね。」
え゙…うそだ…。
俺は半歩後退りした。
「フフフ。まぁ冗談はこれくらいにして、彼は私の実の父。」
「え…てことは…。」
「そう、島田組組長よ。」
初めて見た。
島田組は本部が関東にあり、勢力を関西にも拡げるため若が送り込まれ取り仕切っている。
だから話に聞くくらいで見たことはなかった。
白髪に黒髪がちらほら混じったような髪に、同じような髭をたくわえている。
足が多少悪いのか杖をついていた。
「皆の衆、よろしく頼むぞ。」
組長が声をあげると、ウワーという歓声があがった。
組員の士気が高まる。
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