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「パパには、屋敷に残ってもらって護衛をお願いするわ。」
「うむ、悟よ。黒田組は我が組の昔からにらみ合いを続けてきた敵でもある。これは組が始まって以来の大抗争じゃ。
しかと頼むぞ。」
「えぇ、パパ、わかってるわ。必ず黒田組を竜王会もろとも捩じ伏せてくるわ。
あと、咲織里と言ってちょうだい。」
「う…うむ…さ…さとる…。」
どうも組長は咲織里とは呼べないらしい。
気持ちはわからなくもない。
若は一瞬冷たい目をしたが、すぐに指揮官の顔つきに戻った。
ま、悟でいいじゃん、若。 悟なんだし。
もちろんこんな事声に出しては言えない。
「準備はいいわね、夜を待って、黒田組本部に突撃するわ!
皆の衆、覚悟を決めなさい、一世一代の大勝負よ!」
若が声を張り上げると再び歓声があがった。
若は俺等将棋部隊に小声で言った。
「あんたたちもね、将棋チルドレン。」
組長が髭をなでた。
「将棋チルドレンか、ふむ、小泉チ○ドレンみたいでええのぅ。」
そっちか…。
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