008章 諏訪侵攻作戦

18/20
846人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
頼重「謀ったな晴信め・・・いや、いまさらジタバタすまい。そこもの、酒と肴を。」 武田家臣「酒は持ってきましたが、肴はありませぬ。」 頼重「武田の家は腹を切る作法も知らんのか。肴とは脇差のことだ。武田の家でもわれらほどの侍に切腹させたことは今まであるまい。」 武田家臣が慌てて脇差を持ってくると 頼重「わしの辞世の句じゃ。おのづから 枯れ果てにけり 草の葉の 主あらばこそ 又も結ばめ。」 そう言うや否や腹を十文字に掻き切り、27歳の生涯をとじた。 弟の頼高もその後自刃した。
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!