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頼重「謀ったな晴信め・・・いや、いまさらジタバタすまい。そこもの、酒と肴を。」
武田家臣「酒は持ってきましたが、肴はありませぬ。」
頼重「武田の家は腹を切る作法も知らんのか。肴とは脇差のことだ。武田の家でもわれらほどの侍に切腹させたことは今まであるまい。」
武田家臣が慌てて脇差を持ってくると
頼重「わしの辞世の句じゃ。おのづから 枯れ果てにけり 草の葉の 主あらばこそ 又も結ばめ。」
そう言うや否や腹を十文字に掻き切り、27歳の生涯をとじた。
弟の頼高もその後自刃した。
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