第二章‐戦いの幕開け‐

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一行は一路軍を返し、徳川家は江戸城へと、他の大名たちは美濃国の大垣城で落ち合う事を約束し、それぞれ宿場や自領へと引き返していった。 遂に天下を二分した一大決戦が始まろうとしていた。 それから数日後、江戸城から徳川家は数万もの大軍を率いて行軍を開始した。 徳川家康率いる軍勢は東海道を進み、徳川秀忠率いる軍勢は甲州街道を経て中山道を通過する事となった。 ――だが、この判断が自家を滅ぼす事になろうとは、家康どころか、世の中の人間の誰も知る由もなかった。 「――秀忠よ。これはお主を世継ぎに決めるか否か、さらには日の本の行く末を決める決戦である。しかと心得よ。」 「ははっ。ご期待に応えられますよう、尽力致します。」 「うむ、よかろう。では出陣!」
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