とある世界の主人公

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「草薙ぃ~、ちょいと聞きたい事があるんだが」 草薙が声の聞こえた方向に目をやると、困った表情の友人、雄介がノートと向き合っていた。 「雄介か。どうした」 「いや、この問題がぜんっぜん分からないんだよね」 「ああ、それはこの公式を使えばできる」 「なるほどっ! サンキュな草薙!」 「っと。そうだ雄介、お前に頼みたい事がある」 草薙はふと思い出したかのように話し始めた。 「頼み?」 「紅太郎がまたリベンジに来た。俺はあいつをぶっ倒してくるから、俺の昼メシ買っといてくれ」 「購買は混むもんなぁ……わかった。何がいい?」 「パンと……フルーツ牛乳」 「あれ、どろり濃厚オレンジ味じゃないのか?」 「たまには普通のもいいと思ったからな」 「ふーん、そうか。んじゃそれで」 「ああ」 雄介に昼飯を頼むと、草薙は校庭へと歩いて行った。
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