プロローグ

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「いいか、チャンスは一度きりだ。失敗は許されない」    国立両儀学園……中高一貫の名門校と言われるこの学園には、他にはない変わった学問が存在する。   「それと、間違っても黒坂には見つかるなよ。あいつは死ぬまで追いかけて来る。無論、お前が」    子供の頃、誰もが一度は夢見たであろう万能の力。    即ち、魔法。   「俺確実に死亡フラグだってそれ! ……よし、俺の代わりに行く気は無いか? 江寿」   「行かねーから。行ったって死亡フラグしか立たないイベントに、なぜ行かなきゃならんのだ」    両儀学園では、その魔法を学問へと枠組みしたもの……『魔学』を六年間に渡って学んでいく。   「それに、眞也と三角は生徒会、涼は式のBGM担当で準備中。つまり残ったのは俺と咲哉と水海だけなんだ。諦めて行ってこい」    これは……そんな生徒達の日常を、とある六人の少年達に主眼を置いて描いていく物語。    ただ、最初に断っておく事がある。   「……っと、良い頃合いだし……そろそろ作戦開始としよーか。頼むぜ、水海」   「オッケー。ミスったらただじゃ済まさねーからな、咲哉」   「任せろって。お前こそミスるなよ? 水海」    主眼に置かれた六人の少年達、物語が進むにつれて解る事だが……今、敢えて言おう。   「じゃ、俺達の命を懸けて……作戦、開始だ!」           ━━━━彼らは、生粋の天才(バカ)だ。
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