文化祭―アイドルと彼女

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みんな本を持ってきたりして何にしようか真剣に悩んでいる。 そんな中、悪いけど俺は何も考えていない。 自分から提案しておいて考えないのも変だけど、正直だるい。 「優樹くん、何かない?」 座ってぼーっとしていた俺の前の席に座り、早坂が尋ねてきた。 いきなり聞かれて驚いたけど、とっさにある案が出てきた。 「アイス…揚げアイスってのはどう?」 「ア、アイス!?」 そこまで驚かなくてもいい気がする。 こんなことを言ったのはちゃんと理由がある。 と言っても、テレビで見たことがあるという普通の理由だけど。 「優樹くんって料理するの?」 「少しだけな」 「それなら今度食べに行ってもいい?」 少しだけって言ったんだから、人に食べさせられるほどではないことくらいわかるだろ。 それにしても、この目の輝き様は何なんだ? 期待しすぎです。
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