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入学式が終わり教室に向かう途中誰かに肩を叩かれ、振り返ると早坂瑠璃がいた。
「あなたは斉藤優樹くんだよね?」
「あ、そうだけど、どうして名前を?」
いきなりのことで、しかもあの早坂に話し掛けられたのに冷静な自分がいた。
「田中さんから聞いたんだ。あ、田中さんは私達の組の女の子だよ」
そこまで説明しなくてもわかるっての。
まぁ初めて話すから少し丁寧になるだろうけど。
「そうなんだ。でも、どうして俺なんかと話す気になったんだ?」
アイドルがファンに話し掛けるというハプニング的な感じで聞いてみた。
俺にはその答えは出なかった。
バカだからかな。
「そ、それは何となくだよ。同じクラスの人と仲良くなりたいから」
最初は何故か赤くなり、その後すぐに優しい笑顔になった。
再び稲妻走る、なんつってな。
とにかく思ったのは、早坂は良い性格の持ち主で友達になりやすいタイプ。
「これからよろしくな。早坂、だったっけ?」
「そうだよ。よろしくね、優樹くん」
いきなりでびっくりした。
結構フレンドリーに接してくるんだな。
教室に帰るとすぐにHRは終わった。
クラスのほとんどは早坂の所に行っている。
俺は暇なので鞄を持って帰ろうとした。
その時目の前に女子が現れた。
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