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ダイエットをしようとした一人の少女がいました。
少女は下剤を飲んだり、飲食をしないダイエット方法で、痩せようと試みました。
そのうち彼女の外見は痩せたと言うより何かに取り憑かれたかの様になり、愛らしかった元の面影はみられません。
彼氏だった男性の心は離れていき、友達だった子は連絡すらとらなくなってしまいました。
段々味覚も嗅覚もなくなってきて『味わう』ことが出来なくなった彼女は生きる気力も無くなってまいました。
そんな時
彼女のことをかいがいしく世話をしてくれたのが母親でした。
毎日毎日くる日もくる日も
体を拭いてやり、食事を作っては食べなさいと口に運び
母親も痩せていきました
疲れが体にでて
随分年をとったように見えます。
ある日母親が、食べ物を介助してくれていた時のことでした。
「しょっぱいよ……」
「……」
もう何かを持つほどに体力が無かった少女の口元へと母親がスプーンを運んだ瞬間、何を食べても何も味のしなかったお粥から急に味を感じたのです。
涙という名の隠し味
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