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ああ、まったく、何故こんなところにいるのだ
彼は深い深い森の中を彷徨っていた。
上を見上げても、木々の隙間からは輝く星と月が僅かに見えるばかりである。
森にはよく狩りに出かけるので慣れているつもりであったが、どこかも分からぬ土地で丸腰出陣となるとさすがの彼でも不安を感じるのである。
半径500メートル以内には部下の気配はしない。
獣の気配がすればすぐに分かるし、熊や虎や暗殺者の類であれば一人で対処できる。
しかし、そんなものがここにはいないだろうということは、すでに直観が彼に啓蒙していた。
彼は一体なにが不安であったのだろうか。
一つは森である。
普段見慣れない広葉樹が乱立している上、チェルノブイリでも見たことがないような奇奇怪怪なキノコが生えていたからだ。
そしてもう一つは…。
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