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それに答えるかのように、それらは彼に近寄りつつあった。
それらは順調に彼に近づいて行った。
それらがもし動物や人間であったなら、すでに現世に存在することは叶わなくなっていたであろう。
それが半径20メートル以内に近寄って初めて彼はその存在に気がついた。
彼自身驚いた。
まさかここまで接近されるまで自分がそれに気が付かないとは思ってもいなかったからだ。
過信は破滅である。
彼はそれを肝に銘じておいた。
彼は目を瞑り、辺りに気を集中させた。
彼ほどの実力があれば、第三の目で対象を把握することなど容易い。
数は100…いや、150といったところか。
彼はそれの正体を把握した。
彼を囲繞していたもの、それは…。
魑やら魅やら魍魎やら妖怪やら怪物やら幽霊やらの訳の分からないものであったのだ。
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