chapter.Ⅸ

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ダンテはリベリオンを手にした。 握り締める手に自然と力が入る。 リベリオンの切っ先がバージルの喉元に向けられ、キラリと光った。 『何時まで経っても俺はあんたの幻想を追いかけるだけの愚かな生き物か… 何処まで行っても終わりなんてない。 何を手に入れても満足出来ない。 太陽はあんたの影を色濃く示し、月は体温を奪い忘れかけた温もりを思い出させる… 頭がおかしくなりそうだ!! いっそ 一思いにあんたの心臓を貫いてこの煩わしさから解放されたい』 バージルの目が静かに伏せられる。 『深淵より来たれ 終焉の名において 我等が罪を裁く刃 さぁ、逝こうか』 小さく呟く声… ダンテの心に出来た小さな隙間から誘惑と言う名の甘い毒が染み出し、肺腑を侵して行った。吐き出される息に迷いが浮かび思考回路を掻き乱す。 (俺は何で此処に立ってるんだ? 俺はリンクを開くためにこの地に来たはずだ… そうだ。リンクを開けば…)
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