chapter.Ⅰ

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『おい!』 ネロは魂の書を庇うようにダンテの前に立って右腕を構えた。 『貴様のそういうところは、全く変わっておらんの』 呆れて呟く魂の書。 『ネロよ…近状はどうだ?よく眠っておるのか?』 突然の質問に驚くネロ。ついさっき荒野で倒れた時の事を思い出していた。 『あの夢と何か関係あるのか?』 『やはりの…』 ダンテはやけに冷めた瞳で黙ってネロを見ている。 『犠牲…』 魂の書がぽつりと呟いた一言。 それは一瞬でネロの心臓を凍り付かせた。 脳裏に流れる断片的な夢の記憶。思い出せないのではなかった…思い出さないように深層心理が勝手に働いていたのだ。
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