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『おい!』
ネロは魂の書を庇うようにダンテの前に立って右腕を構えた。
『貴様のそういうところは、全く変わっておらんの』
呆れて呟く魂の書。
『ネロよ…近状はどうだ?よく眠っておるのか?』
突然の質問に驚くネロ。ついさっき荒野で倒れた時の事を思い出していた。
『あの夢と何か関係あるのか?』
『やはりの…』
ダンテはやけに冷めた瞳で黙ってネロを見ている。
『犠牲…』
魂の書がぽつりと呟いた一言。
それは一瞬でネロの心臓を凍り付かせた。
脳裏に流れる断片的な夢の記憶。思い出せないのではなかった…思い出さないように深層心理が勝手に働いていたのだ。
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