chapter.Ⅶ

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しばらく沈黙が続いた後、急にダンテがくるりと振り返った。 ネロは真剣な表情のダンテを睨んだ。 『…そんな顔するな』 『哀れんでんのかよ』 ダンテは何も言わずにネロを見つめている。こちら側の声は聞こえていないようだ。 『心配するな』 そう呟くとリンクに差し込んである賢者の石を回し、扉を開く。 ガチャリ… 扉の中へ勢いよく空気が流れ、ダンテのコートがバサバサと靡いた。 『行くな…』 その言葉は小さく、そして虚しく響きダンテは扉の中に姿を消した。
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