chapter.Ⅶ

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扉からはまばゆい光が勢いよく溢れ出し、ネロは覚悟して目を閉じる。 だが何も起きない。 どうしたというのか。 ネロはゆっくり目を開き、強い光を遮るように右手を顔の前に翳した。 ふと足元に視線を落とすと猫の姿のフォーナがいる。 『扉が完全に開かれたのは、これが初めてよ。これから何が起きるか私にも分からない』 金色の瞳がキラキラと哀しく輝いて見える。 『なぁ、フォーナ…ダンテが欲しいものってやっぱあいつの』 『行きなさい。扉は開かれているわ どうして今までリンクが完全に開かなかったか、やっと分かった。リンクに必要な犠牲は契約者にとって唯一無二の存在…つまり契約者以外の全ての者。そして、自分自身 自己犠牲がこの扉を開く鍵だった』
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