chapter.Ⅶ

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リンクを潜ると、さっきとは一変した薄暗い夜空の下にいた。 空には幾億の星が瞬き、キラキラと微かな音をたてている。 (さっきの音はこれか…) 足元は辺り一面、水が広がり空の星を映し出し絵にも描けない美しい風景だった。 『これがダンテの望んだ世界なのか?』 行く宛てもなく歩みを進めるネロ。 足元に小さな波紋が波打つ。 何も無い… 何も… 『でも、奇麗だな…』 満天の星空を見上げ思わずこぼれた言葉。 だが何か足りない… 『月が、』 ネロが心に月を思い浮かべた瞬間ふと目の前にダンテが現れた。 『ダンテッ!』 ネロの呼び声にはっとなるダンテ。 『坊や…着いて来たのか?』 『…』 申し訳なさそうに黙るネロ。 ダンテは苦笑いするとネロの頭んポンと叩いた。 『奇麗だろ?』 『あぁ』
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