chapter.Ⅷ

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ブワァーー!! 勢いよく流れ込む空気が渦巻き、砂埃を掻き上げる。 ネロは奪われた視界を取り戻そうとレッドクイーンを振りかざし、風を切り裂いた。 パラパラと砂が地面に打ち付けられ雨さながら。 付着した砂を掃うようにバサバサとコートを叩くネロは、何処からともなく流れてくる涼しげなそよ風に髪を揺らせていた。 『ここは何処なんだ?』 辺りを見回すが全く心当たりがない。 しかも、この場所に来る直前の記憶すら思い出せなかった。 『まいったな…』
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