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夢のように鮮明ではないが、ネロはその記憶を辿って行く。
沢山の白百合に囲まれ、悲しみに暮れる黒い服を着たキリエ。
ヘルゲートの前に立つ自分自身とダンテ。扉の中から現れたダンテと同じ顔をした男…
その男の手をとるダンテ。
消え行く自分の体…
『気分が悪いの?』
キリエは青ざめた顔で黙り込むネロを気遣って背中を撫でた。
『ありがとう…大丈夫だ』
一呼吸おいてネロはダンテを見た。
『あんた…何考えてんだ?』
ダンテはネロの問に瞳を閉じて答える。
『何も。ただ、無くしたものを取り戻したいだけさ』
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