chapter.Ⅰ

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夢のように鮮明ではないが、ネロはその記憶を辿って行く。 沢山の白百合に囲まれ、悲しみに暮れる黒い服を着たキリエ。 ヘルゲートの前に立つ自分自身とダンテ。扉の中から現れたダンテと同じ顔をした男… その男の手をとるダンテ。 消え行く自分の体… 『気分が悪いの?』 キリエは青ざめた顔で黙り込むネロを気遣って背中を撫でた。 『ありがとう…大丈夫だ』 一呼吸おいてネロはダンテを見た。 『あんた…何考えてんだ?』 ダンテはネロの問に瞳を閉じて答える。 『何も。ただ、無くしたものを取り戻したいだけさ』
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