chapter.Ⅷ

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途方に暮れるネロは少し考えてから歩き出した。 そこは宮殿を思わせる美しい造りで、中庭か何かなのか外の光と噴水が確認出来る。 ネロは噴水の側まで歩いた。 噴水から溢れ出した水は四方に伸びた小さな水路を通り宮殿の中まで続いている。 美しい水の上には薔薇の花弁が浮き沈みし、心地良い薫が辺りに漂っていた。 水面に写る自分自身を見つめ考える。 『俺はどうして此処に居るんだ?此処に来る前は…』 何か思い出せそうになった瞬間、背後に気配が。振り返るネロ。 そこには猫が居た。フォーナだ。 『フォーナッ』
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