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ネロが近付こうとすると、フォーナは勢いよく走り出した。
『おいっ!待てよフォーナ!』
その後を追って宮殿の中に駆け出すネロ。訳も分からずフォーナを追いかける。
宮殿の中は誰もいない…
薄気味悪いくらい静まり返っている。
フォーナは壁や扉の隙間を通り抜け一心不乱に走り続けるので、ネロは周りを確認する余裕すらない。見失わないように追いかけるので必死だった。
段々とフォーナとの距離が空いて行く。
『くそっ』
階段にさしかかるとたちまちフォーナの姿が消えてしまった。
下に伸びる階段を見るネロ。
その下から吹き出す異様な風。明らかに何かがある。きっとフォーナもそこに居るのだろう。
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