chapter.Ⅷ

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ネロが近付こうとすると、フォーナは勢いよく走り出した。 『おいっ!待てよフォーナ!』 その後を追って宮殿の中に駆け出すネロ。訳も分からずフォーナを追いかける。 宮殿の中は誰もいない… 薄気味悪いくらい静まり返っている。 フォーナは壁や扉の隙間を通り抜け一心不乱に走り続けるので、ネロは周りを確認する余裕すらない。見失わないように追いかけるので必死だった。 段々とフォーナとの距離が空いて行く。 『くそっ』 階段にさしかかるとたちまちフォーナの姿が消えてしまった。 下に伸びる階段を見るネロ。 その下から吹き出す異様な風。明らかに何かがある。きっとフォーナもそこに居るのだろう。
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