chapter.Ⅷ

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嫌な予感を感じながらも階段を下りると、思いのほか開けた場所に出た。 太陽を模った像が整列した通路とその奥には大きな扉。そして見知らぬ二人の男女。 ネロはそっと太陽の像の影に身を隠した。 ヒソヒソと話す二人の会話に耳を傾ける。 何か言い争っているようだ。 『私も連れて行って下さるのではっ?!』 『この先にあるのは私が望む、私のためにある全知全能の世界… そなたはその犠牲となるのだよ』 『…何故?!!私を愛しているとおっしゃったではないですか!あれは嘘だと?』 泣いて縋る女。 『あの頃の私とは違うのだ。そなたなら理解してくれると思っていたが残念だ…』
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