chapter.Ⅷ

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無重力だった空間に重力が生じ、辺りは一瞬にして別の景色へと変化した。 『此処は…』 ネロは見覚えのある場所にいた。 フォーナがクラブの地下に位置すると言っていた水路から上がって来た場所だ。 ネロは冷たい床から起き上がって周りを見渡す。 どの位眠っていたのか。 『何もかも夢だったのか…?』 夢と現実の区別が付かず、はっきりしない意識は現状さえ認識できないでいる。 『ネロ、お帰りなさい』 振り向くとフォーナが祭壇の前に座っていて、祭壇の上には粉々に砕け散った水晶があった。
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