chapter.Ⅸ

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一方、ダンテは 突然ネロが消え去った事に驚きはしたが、取り乱す様子はなく足元に浮かんだスパーダの肖像画を見つめていた。 それはダンテがまだ幼い頃に、スパーダの書斎に置いてあったものだ。 髪型こそ違えど、どこからどう見てもそれはネロと同じ顔だった。 初めてネロに会った時、何故気付かなかったのか… そもそもダンテが知る人の姿をしたスパーダは今の自分と変わらない年頃で、若い頃の姿等あの肖像画以外で知るよしもない。 それ以前に、息子といえどスパーダについての知識自体がほんの僅かしかないのだから気付かなくても不思議ではない。
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