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流れる水によって歪む水鏡の中の自分を見つめるネロ。
『ネロ、最近よくうなされてるのと何か関係あるの?』
『あぁ…』
キリエに心配をかけたくないが、体調不良の原因が定かではない今、ネロには苦笑いで精一杯だった。
言葉を濁したネロの気持ちを察してか、キリエは手を伸ばすとネロの右腕に触れた。
『どうすれば、ネロの体調が良くなるか…私には分からない。でも、あの人ならネロの力になってくれると思うの。だから、私の事は心配しないで』
『キリエ…』
本当は不安なはずなのに、そう言って微笑むキリエ。
ネロは思わずキリエに顔を近付けた。目を閉じ、唇が触れそうになる。
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