chapter.Ⅰ

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キリエは間近まで迫ったネロに赤面しながらも覚悟して目を閉じる。 『…若いとは素晴らしいの』 『?!』 その声に驚いて、キリエから距離をとるネロ。 後ほんの1㎜というところでKissはお預けとなってしまった。 『全くだ』 嬉しそうに笑っているダンテと、いつの間にかキリエの膝の上にいた魂の書。 『覗きなんて悪趣味だな』 ネロは照れながら悪態をついた。 『もう、用件は済んだんでな』 『じゃあ、賢者の石の在り処は…』 『今から"日出る國"に向かう』 ダンテはじっとネロを見ている。敢えて何も言わず、ネロの意思に任せるとでも言いたげな顔だが、それはネロの出す応えが分かっていたからだろう。 『俺も行く』 余裕たっぷりなダンテを上目で睨み、ネロは不満たっぷりに呟いた。
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