chapter.Ⅱ

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バサバサバサバサッ… 『暑いのは苦手だ…』 強風が辺りの砂を巻き上げ、照り付ける太陽がありとあらゆるものから水分を奪う土地。 砂漠の中を進むネロは余りの暑さに滅入っていた。 『もうすぐオアシスだ、我慢しろ』 ダンテは暑さが苦にならないらしく、そこら辺に転がった遺跡を観察している。 ネロはダンテの調べている柱のような形をした石を見て、疑問を抱く。 その石には蔓草が巻き付いているのだ。 これ程の暑さ、近辺に水は見当たらない。サボテンならともかく砂漠で生息するとは考えにくい植物。 『見えて来たぞ』 ダンテの言った通り、砂漠の向こうに町が見える。 町は大きな塀で囲まれていて、砂漠はその塀の前で終わっていた。
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