chapter.Ⅲ

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階段の終わりが見えて、ネロは少しほっとした。 もう随分と上ったのでそこからは入って来た扉が確認できない程の高さだ。 外からの光りが辺りを照らしている。階段を上りきると、拓けた場所に出た。 そこからは空が一望できる。円形の神殿のような造りで、中央に祭壇が設置してあった。 「ここに座って」 フォーナは祭壇の前の石に腰掛けてネロを呼んだ。水晶玉を祭壇に置き祈るように目を閉じている。 ネロはフォーナと向かい合うように座り、その様子を見つめた。 「貴方も、賢者の石を求めてるの?」 「否…俺は体調さえ元にもどればそれでいい」 「そう。過去や未来にも興味はないの?」 フォーナの瞳はネロの心を探るようにキラリと光った。
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