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澄み渡る青空
そよぐ風
揺れる草木
輝く太陽
此処は都から外れた避暑地の一角。
大豪邸と言う程立派ではないが、別荘にしては奥床しさ漂う立派な洋館があった。
「ねぇ、見て。お母様」
一輪のガーベラを手に持ち、嬉しそうに微笑む少年、彼はこの家の住人。
「フフ…可愛いわね、ネロ。ありがとう」
そして少年と共に暮らす女性。
彼女は時の皇帝の愛娘であり、少年の母である。
訳あって都を離れ二人で暮らしている。他にも数人の家政婦と執事が居て、平凡だがとても幸せな日々を送っていた。
この後訪れる革命の波が彼等の全てを奪ってしまう事等知るよしもなく…
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