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THE DARK KNIGHT
{とある名も無き国の話。
今より遥か昔、ある国に一人の騎士がいました。彼はとても勇敢で強く、何よりも人を愛する素晴らしい心を持っていました。ですが彼は人間ではありませんでした。彼を恐れ周りの者達は近付こうとはしません。
それでも彼は戦いました。同族から人間を守り、世界に闇が訪れることのないように。
そんなある日、彼の元に来訪者が現れこう言いました。
『お前には試練が待っている。その試練に耐えうれば人間と成れるだろう…だが、本当にそれでよいのか？』と。
その言葉通り、彼の住む街には巨大な闇の塔が突如建ち上がり空から光が消えました。
彼は独り塔に向かい塔の中の魔王を倒し、封印しました。その余りに激しい闘いで彼は力を使い果たし永遠に目覚める事はありませんでした。
彼は人間にはなれませんでしたが、人々を守り世界に平和をもたらしたのです。
闘いの最中に彼は来訪者が問うた言葉の意味を知ります。彼は人間に憧れていましたが、彼が人間で在れば人々を守る事はできなかったでしょう。魔王と対等以上に渡り合えたのは、彼が悪魔だったからなのです。
塔が崩れ去ると、空に光りが戻り街の人々は彼のために教会を造りました。今でも何処かで彼のために鎮魂歌が奏でられているのかもしれません}
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