chapter...forget-me-not

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太陽が沈み、月が輝く。 時刻は既に真夜中。 眠れないネロはホットミルクが飲みたくて部屋を出た。廊下にはひんやりと冷たい空気が漂い、一定間隔の灯火が薄暗い廊下に浮かび上がっている。 廊下を右に行けば下の階に降りられる階段があるのだが、ネロは左に向き廊下の奥を見ている。 一番奥の、画廊の扉が開いているのだ。 恐る恐る廊下を歩くネロ。途中に飾ってある甲冑が不気味だったので小走りで駆け抜けた。 「誰か…いるの?」 そっと扉を開けて明かりをつけたが部屋の中には誰も居なかった。 絵の具と油の独特な匂いがする。 ネロは部屋の真ん中に放置されている描きかけの絵に近づいた。
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