chapter.Ⅰ

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ザァーー 心地よい水の音。差し込む朝陽が空気を段々と暖め始めた頃、キリエは噴水の前でソワソワしていた。 スケアクロウ退治に出掛けたネロが朝になっても帰ってくる気配がなく、寝ずに待っていたのだ。 大歌劇場に入り、祈るキリエ、巨大なスパーダの像の元で両手を組んでいる。教卓の上には洋館の一件以来、自ら眠りに就いた魂の書があった。 あれから一年近く経ち平和な日々が続いていたフォルトナ。 そんな日々に影を差すような不安を感じ、自然と握った両手に力が入る。 ギィ… 鉄格子が開く鈍い音が響いた。 『?!…ネロ』 慌てて駆け寄るキリエ。そこにはネロを抱えたダンテが立っていた。 中に入り、長椅子にネロを寝かせる。 『何かあったんですか?』 心配そうにネロの手を握りながらダンテに尋ねるキリエ。
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