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母の部屋のベッドでホットミルクを飲み眠りに就いた。
隣に母の温もりがある、髪を撫でる細くしなやかな指が心地よい。
夢か現か分からないフワフワした感覚、閉じた瞳は何を見ているのだろう…
翌朝、ネロが起きると隣に母の姿はなく。慌てた様子でルドルフが部屋に入って来た。
「坊ちゃん!急いで支度なさって下さい」
そう言って持っていたネロの洋服をベッドに置くと、また慌てて出て行った。
「…今日はお出かけの日だったかな?」
ネロは言われた通り着替えて、朝食を食べようと下の階に下りた。
いつもなら、スープやメープルシロップ等の食欲をそそる匂いがするのだが…今日はテーブルさえセットされていない。
厨房を覗いてみても、誰もいなかった。
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