chapter...forget-me-not

12/13

45人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
「駄目よ、ネロ!その人達と一緒に行くの」 「嫌だよお母様!僕もお母様と一緒に行く!連れてって…お願い…お願い…」 ネロは母に手を伸ばした。涙で母の顔がよく見えない。 「愛してるわネロ、誰よりも……許してね…無力な私を、こんな方法でしか貴方を守れなくて…っ」 伸ばした手は母に届かず、荷馬車が走り出した。 「やだ…やだよっ…お母様っ!お母様ぁ゙ぁぁー!!」 段々と小さくなって行く母。 とめどなく溢れる涙、ガタガタと揺れる荷馬車。 幼いネロにはどうすればいいのか何も分からなかった。 家に戻る方法も 独りで生きる方法も
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加