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『昔話はまた今度だ。用意できたんなら行くぞ』
『えぇ』
感傷に浸る暇のない二人は先を急いだ。
~アセンダント西の外れ~
町の中心から遠く離れた遺跡に辿り着いた二人。陽は少し傾き始め、乾いた大地に黒い影が伸びていた。
遺跡に人の気配はなく静まり返っている。
至る箇所が崩れ落ちていて中に侵入出来そうにない。
『まずは入口から探さなきゃね』
レディは足場の悪さを諸ともせずに、遺跡へと進んで行った。
正面とおぼしき場所は塞がれているので裏に回ろうと思って振り返る。
『まったく…』
そこにはさっきまで居たダンテの姿はなく、辺りを見渡したが近くにはいないようだった。
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