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『それが、俺にも分からん。此処に来る途中に偶然倒れてるこいつを見つけて担いで来たんだが』
二人の声が届いたのか、ネロが意識を取り戻した。
『んん…』
『ネロっ!』
キリエはネロの頬に手を当て、顔色を伺っている。
辺りを見回し自分が教会に戻って来た事を知ったネロ、その場に似合わぬ顔があるのに気づく。
『ダンテ…』
『久しぶりだな、坊や』
ダンテはニコッと微笑んだ。
『何があったのネロ』
キリエが問い掛ける。
早鐘のように脈打つ胸に手を当て、ネロは自分がどんな夢を見ていたのか思い出そうとした。
『やっぱり思い出せないか…ところで、あんた何やってんだ?』
ダンテは魂の書に縛り付けてある革のベルトを外そうとしている。
『野暮用でな。ちょっと手を貸せ』
強引にネロの右手を掴むと魂の書を持たせた。するとベルトがするりと外れ、魂の書が目覚めた。
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