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『どう足掻いても無駄だと言いたいの?』
『否…"足掻き"こそ生命の美学さ。進化するものには必要不可欠だろ?
人間の本能がそうさせるのさ』
『フッ…確かに、今の私達にお似合いの言葉だわ』
レディは沼からどう抜け出すかを考えながらバハムートの足元に落ちているカリーナ・アンを睨んだ。
考え込んでるレディの隣でダンテは余裕たっぷり欠伸をしている。
『さっきから気になってたんだけど、この沸き上がってる気泡って可燃性のガスよね?』
何か思い付いたらしくレディの赤い右目がキラリと輝いて見えた。
『あぁ』
『OK!じゃっ、囮頼んだわ』
そう言うとおもむろにダンテを突き飛ばしニヤリと笑うレディ。
よろけたダンテがバシャッと水音を立てると、バハムートは巨大な翼を広げ勢いよく襲い掛かって来た。
『おいおい、追いかけられるのは嫌いじゃないが出来るなら美人にして欲しいもんだぜ』
『あら?ドラゴンは守備範囲外だったかしら』
バハムートが離れたのを確認するとレディはカリーナ・アン目掛けて駆け出した。岸に辿り着くとカリーナ・アンを肩に担ぎ上げ狙いを定める。
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